『 師走のアメマス 』 D3 仙北谷祐輔

「雨鱒の顔でも見に行きます?」

 

仲間の誘いとあらば僕の答えはもちろん「OK」。

休みが合ったのも数ヵ月ぶりだ。

集合場所へ向かう途中、車窓から見える遥かなる山脈は雪化粧を纏い

厳冬期が近づいていることを実感する。

 

『透き通るような冬空から暖かい陽射しが降り注げば、狙いの雨鱒も顔を出してくれるはず。』

そう期待しながら凍れた斜面を下る。

 

入渓後ほどなくして、期待に応えるように陽の当たる瀬から雨鱒が踊り出し、

足元まで無邪気なチェイスを見せてくれた。

その姿を見て安心した僕らは足取り軽く先へ進む。

 

足を止めると、緩やかな流れが大きく右へ曲がり大岩に当たっている。

陽射しが差し込む瀬とは対照的に、大岩が影となり淵は暗がりになっていた。

 

『 ジョイントダリアでナチュラルに流そうか…それとも、

バルキッド80sの強いフラッシングで引き出そうか…』

 

悩んだ末に結んだのはバルキッド80s。

 

流れに乗せ、反転流をかわしながらボトムまで送り込み、数回ヒラを打たせると、後者を選択した答えが素晴らしい形で返ってきてくれた。

バルキッド80sを襲ったのは野性味溢れる良型の雨鱒。

カメラを向けると良い表情でこちらを見てくれた。

 

 

師走の雨鱒は越冬準備で忙しいだろうから、

数カットだけ写真を撮らせてもらい手早くリリース。

この時期、素直な反応で遊んでくれる雨鱒の存在は本当にありがたい。

その後、仲間にも良型が出て、お互い感謝の気持ちで川を後にすることができました。

 

 

 

今年デビューしたバルキッド80sが素晴らしい締めくくりをしてくれたばかりですが、来年も個性的な新製品がラインナップに加わるとのこと。

 

自然に身を置き、どんな魚が居るのかと想像を膨らませワレットを眺める。

 

そんな楽しみがまた広がりそうだ!

 

 

D-3フィールドスタッフ  仙北谷祐輔

 

About the author: fukushi