先月に移転のため閉店した【 釣り具センター宮の沢店 】
店内の頭上や陳列棚に、いろいろなポップや魚のオブジェがあったのを覚えてますでしょうか?
たとえばこんな魚のオブジェ。
大きなブラウントラウト
ニジマス・ヤマメ・オショロコマ
そしてヒラメ
おそらく皆さん、魚のはく製 だと思っていた方が多いのではないでしょうか?
実はこれ、すべて発泡スチロールのような 断熱素材 (スタイロフォーム)で作られた手作りの模型なんです。
完成度が高いのでよーく見てみないとわからないほどなので、おそらく手作りの模型だと思った方はいないのではないでしょうか。
そのほかにも、ワームコーナーの頭上にはバークレーのポップがありましたよね?
大きな看板や
巨大なパワーベイトのパッケージ
そしてこれは巨大なエコギアのロックマックス
テレストリアルコーナーのところには、カモフラージュ柄のポップと
大きな福蝉シャローがありました。
これらのポップですけど、すべてメーカーが用意したわけではないんです。
おそらく、メーカー側が販売促進用に用意したものと思われる方が多いかもしれませんが、店内にあった全てのポップは、スタッフ小野さんの手作りです。
彼女が小野さん。
全部、彼女の手作りなんですが、その凄いところが全て身の回りにあった材料だけで作ってしまうこと。専用の材料などを買わずに店舗の中にある材料のみで作り上げてしまうという凄腕です。
たとえば、先ほどの大きなワーム類。
これらの外袋も彼女の手作りでして、
中に入っている巨大なワームもスタイロフォーム(発泡スチロール)を、
カッターや紙ヤスリ・ピンセットなどを使って削り詳細に再現。
しかも、外袋まで完全にスケールアップして、そのすべての作業が身の回りの物を使っての工作なんですから驚きです。
そして、魚類。
もちろん魚たちの素材もスタイロフォーム。
『 体表は普通紙のカラーコピーをつなぎ合わせたものを糊で貼ってコーティングしただけです (笑) 』
なんて、小野さんは簡単に言うのですが、
自分が釣ったわけでない魚を、お客さんから見せてもらった数点の写真を見ただけで、ここまで魚の形状を実寸サイズにスケールアップして削るのは凄い技術だと思います。
それをヒレ から目玉まで完全なバランスでよく再現されているのですから…
例えばですが、雑誌に載っているミノーの写真を眺めながら、それを60cmサイズに拡大して削る。これだけでもけっこう難易度が高いです。
それを個体差のある魚の形状で再現するのはかなりの技術です。
小さくするのは簡単ですけど、大きくするのはとても難しいんです。
さらに特筆ものが魚の『 歯 』
こで、ホットグル だそうです(笑)
歯先の擦り減った感じなども詳細に再現・・・
小野さん曰く『ヒラメは歯が鋭いのでグルーガンを早く引っぱって尖らせたんです』
と笑って言われてましたが、
歯をホットグルで再現しようと思いついた事が凄いんですよ…
こちらがそのヒラメ。お客さんが釣ったものを実寸大で再現。
『 ヒラメのほうは、釣った実物を見せてもらったので身の厚みまで忠実に再現できました』と、小野さん。
そしてこれがヒラメの歯
歯の間隔や向きなど再現力が凄いです・・・
ちなみに魚をぶら下げている金具は、折れた竿から外した中古のガイド…
ヒートンなどを使わずに、これで吊り下げようと思いつくあたりが素敵です (笑)
魚の模型から、店頭のポップまで。
これらの全てを、身の回りにあった物だけで再現したこと。
そして、それらを利用しようと思いついた発想力。
同じ工作好きとしてとても感動しました。けっこうな嫉妬レベルです。
素晴らしい出来!
これ、川に持参してニコパチの写真を撮ったらわからないですよ (笑)
こういう再現ができるのですから剥製なんていりませんよね。
無理を言って、フクシルアーズのポップも制作していただきました。
サイズ感がわからないかもしれませんが
マンホールサイズです。嬉しいです!
工房に飾ろうか店舗に飾らせてもらうか迷ってます。
さて、こんな ポップ職人の小野さん。
4月に手稲にオープンする大型アウトドア店舗【コルソ札幌】にスタッフとして移動されるみたいです。https://corso-sapporo.com/
この大きなブラウントラウトと、ヒラメの模型は今は僕がお預かりさせていただいているので、コルソ札幌がオープンした際には返却して、
店内にある【マイロッホ】コーナーのほうに展示する予定です。
普通に店員さんだけでは、このクリエイターとしての能力というか資質がもったいないので、工作力や発想力を活かして、是非【夏休み子供工作教室】などのイベントを新店舗で開催してもらえると良いと思いますけどね!
小野さんのことですから、魚だけではなく、発泡スチロールからいろんなものを生み出すと思います。