【新ルアーと新メソッド】 D3福士知之

近々にコラムにも記載しますが、

近年、蝉の生態系が変わってきていると思う北海道の短い夏が始まりました。

毎年この時期の楽しみでもある友人の来道があったので、

昨年の大渇水時に偶然、見つけてしまった70㎝を余裕で超える虹鱒を狙いに

再び深山の流れへと向かう林道を進みました。

 

進む途中に、タモキノコのタワーを見つけてしまいますが、

今採ると荷物になるので帰りに採取することにして心を静めます。

この時、『あのデカいのが釣れなくてもタモキノコは確定だな』

そう思ったのが誤りだったのかもしれません。

 

昨年以上の渇水で水位が低下した渓流は魚の反応も乏しく、

もともと魚影の濃いわけではないこの流れを更にシビアにします。

『蝉だけで十分だろう』

そう思っていた、これまでの夏を改めて考えることになるシーズンだと思います。

 

水面に蝉ルアーを打っても打っても、反応が乏しい流れの中で、

友人の福蝉に40cm台と思われる魚が一瞬だけ見に来ますが、瞬時に見切り岩陰へと戻ります。

蝉が鳴いていないことに加えて、水位が低く流速も遅いため、

湖のようなシビアさです。

流れのある河川では湖のように観察する時間がないので、魚が慌ててルアーを食うのか比較的簡単に蝉ルアーで釣果を上げれますが、その流れが遅くなると見切る時間を与えてしまいます。

 

友人の上のポイントへ入った僕の福蝉にもキャストするたび、

大きくない魚が反応しますが、食いつくまでには至りません。

そこで

水面をナチュラルドリフトするルアーにダメならば、正反対に強烈な刺激を与えてやろうとウォブリングのきついバズロールに結び変えて水面直下を引いてくる。

 

すると、先ほどの魚が思い切りルアーを持っていきます。

30cm台中盤の虹鱒でしたが、背中が張った綺麗な魚体。

これがヤマメだったら...と思わず言葉が漏れてしまいました。

 

少しレンジを変えたこと。

そして同サイズでのアピールを、

最弱(ナチュラルドリフト)から最強(ウォブリング)へと変化を付けたのがよかったのだと思っています。

 

さて、新発売した『バズロール』というルアーですが、

フラットフィッシュやタドポリーなどのオールドルアーを、

僕なりにオマージュというかリメイクしたものです。

 

どのように使うのですか?

釣れますか?福蝉シャローとの違いは?

と聞かれることもありますが、

ハッキリ言うとシャロークランクとしての使い易さは福蝉シャローのほうが上です。

急流にとても強く、深度も水面下30~40cm程度まで探れますので。

 

ではどうしてこれを作ったのか?は、

 

湖では

アクションの最大値になるリトリーブスピードの設定を福蝉シャローよりも遅くしてありますので、必然的にスローリトリーブになります。

速く引きたくても引けないのです。

そして、最もブリブリしているスピードは、僕の中では一番釣れると思っている巻き速度に合わせてあり、レンジは水面直下です。

湖で、ホットケ or クランク を迷ったならばバズロールです。

 

河川でも、

トップでは出ない?などと迷うような時に、一つのルアーで両極端の誘い方が出来ることを目標としています。

先ずは、リトリーブをしないで、

このボテッと丸っこいシルエットを流れにナチュラルドリフトさせて、何度か反応を見る。

魚が反応しなければ、

○渓流であればこの日のように直アップの釣りになるのでリトリーブ。

○中規模河川やアップクロスorクロスで狙う場所ならラインにテンションをかけて、リトリーブはせずにブリブリさせた状態でドリフト。それでだめならリトリーブ。

というように、

水面付近において、静かに見せるか・強烈にアピールするかを1つのルアーで演じられるようにしてあります。

 

あとは操作するアングラー次第です。

 

 

この日は、パッとしない一日でしたが、道でシマフクロウと思われる40㎝ほどの大きな風切羽を見つけ、この山の素晴らしさを再認識しました。

守り神の落し物は山に置いたままにして、タモキノコは虫の食ってないのを選別して、しっかりを採って帰路を急ぎました。

 

最初にも言いましたが、バズロールは古いルアーをオマージュした

新しいコンセプトのルアーです。

若い方たちは、フラットフィッシュもタドポリーも知らないかもしれませんが、

この古い二つのルアーは面白いルアーなんです。

 

もしルアーに、使い易さが最優先とされて、使いやすい物が高性能とされるのであれば、ルアー釣りはミノーだけでいいんです。操作も製作も簡単ですから。

これだけ無数の種類のミノーが存在するのは、ルアーフィッシングの一つの答えがでていると思います。

 

でも、魚釣りは遊びなので、

たまに新しいものを見つけなければきっと飽きてしまいます。

バッタと蝉でトラウトを釣ることを始めたように、

新しいルアーが出来ると新しいメソッドが生まれます。

新しいメソッドが生まれると、そのジャンルが広がっていき、

さらに面白いルアーが出来てきて、きっと楽しみも広がっていくと思います。

 

新しいルアーが新しいメソッドを生み出し、

新しいメソッドは新しいタックルを産み出します。

 

 

 

【タックル】

ロッド:BKT-511LX4

リール:EXIST-LT2500

ライン:MAXパワーPE0.6

リーダー:トラウトショックリーダー8℔

ルアー:福蝉・バズロール

 

D3 福士知之

 

About the author: fukushi