近道。 D3福士知之

ダリア125㎜を年明けの発売で予定してます。

 

ここまで遅れてしまったのは、

はじめに2020年のコロナウイルスの影響で生産が遅れ

海サクラマスシーズンに間に合わなくなったので

『それならもうチョット煮詰めよう!』

という気持ちになって、各部位に少しづつ仕様変更を繰り返していたためです。

 

『それって最初の段階でバッチリ決めとくもんでしょ?』

大手メーカーの方はそう言うと思うのですが、

僕はABSルアーに関してはまだまだ勉強中なので諸先輩たちは温かい目で見ていてください・・・

 

テストしながら製作していっても最後の最後に『なんかチョット違うな…』となることは多々あります。

ウッドやバルサなど、外側を削って作るハンドメイドルアーなら

アクションを狙い通りに作る自信はけっこうあるんですが、

ABSでは、これがなかなか難しいんです。

 

ABSでも、強度もそれほど必要としない固定重心のミノー(特に小型)などは海用と違い、

ボディ外壁も薄くて済むしリブの数も少ないので比較的容易なので、

狙い通りのものを作れるようにはなりましたが(いまだに上手くいかないこともあります)

今回の125mmは初めての重心移動。

バルサミノーで重心移動するのは簡単ですが、リブの位置や8金具のピン部など全部を考えながらやるのはちょっと大変でした。

やってみてわかったのですが、多目的重心移動とかもう凄いですよ。。。

『ルアーメーカーってやっぱり凄いな!!!』って思います

 

 

 

僕のように、ハンドメイドミノー製作から、ABSルアーで思い通りのミノーを設計するようになるのは思ってる以上に大変なんです。。。

外骨格×内骨格 ・ もともと浮くもの×空気を入れて浮かべるもの。

けっこう違うのでバルサミノーでの製作経験はあんまり役に立たないんですよね。

 

ハンドメイドも何となく作っていたのではなくて

もともと凝り性なので、ハンドメイドするようになった頃から

たくさんの名だたるハンドメイドルアーを分解計測してメモしてきたので、

ルアー製作にはけっこう自信があるんですけどそのデータはABSには使えないんです…そして僕の頭に重心移動データは皆無でした。

 

 

僕のハンドメイド計測ですが

例えば(数値はテキトーです)、一つのルアーを分解すると

〇幅と高さ長さ=  1:1.2:8

〇高い部分= 3:5

〇顎部=持ち上がる角度45℃・顎長さ全長と1:8

〇腹部アイのセンター位置 =3.5:4.5の真ん中

〇前アイの位置=浮いた状態で水平ラインから角度が〇°下方向

〇ウェイト位置(二個の距離感)=ボディの最も太い(高い)部分をセンターとして前後に 1:2

〇ウェイトの重量=ウェイトを取り除いたボディと 1:2.3

〇リップ位置は=浮き(沈下)姿勢から何度に装着

〇リップ(出ている部分)= 差し込み位置から反転した形状から幅を1mm長さが1.5mm短い

例えばリップ部分はこんな風に絵をかいてから空欄に数字を入れていきます。

 

㎝で考えるとルアーのサイズが変わると使えないので、

〇:△という大雑把な比率で考えてました。

数式とかよくわからないので超我流です(笑)

 

このような使えるのかどうかもわからない計測をたくさんしましたけど、

当時は意味もなく単純にチャンとしたものを知りたかったという欲求解消だけだったのかもしれません。

でも、無駄な計測をやり続けたのおかげで、結果的に自分がバルサやウッドミノーを作るときの教科書となるものが要らなくなりました。

 

例えば、

『チップミノー風のアクションで作りたい』と思った時は、

チップミノーの。

『丸っこいボディ形状で動きはラピッド』となれば

ラピッドの。

特徴の計測値をそのまま利用してボディ形状をオリジナルに変えていけば、

ボディー形状を真似して作っていくよりも最短距離で個性が出せるので

あのアクションでこの形状。が近づきます。

 

 

多くのハンドメイドビギナーの方は、何かのミノーの形を真似して作り、

そこからボディをウネウネさせたり曲げてみたりと

形状を崩していくと思うのですが、

そうすると必然的にアクションも崩れていくので失敗することが多いです。

そのボディ形状を変えたくなければ、破綻したアクションはリップで補正するしかなくなるので、リップが凄く長くなったり、立てたりすることになります。

なので、目指すミノーに近づけたいときは真似するのは見た目ではなくて、構造というか設計の特徴を利用すると最短距離で自分のハンドメイドミノーをつくれます。

 

 

話が逸れましたが、ABS。これらが役に立ちません。

なので、今は名だたるABSの重心移動ミノーを分解計測している最中です (笑)

これしかやり方を知らないので。。。

幸いにして、仲良くしているメーカーの諸先輩たちがABSルアーの特性などを質問すると教えてくれるので助かってますがいまだに勉強の毎日です。

 

今年の春も、有難いことに2名の若者からルアー作りで就職したいと言っていただきました。でも、僕が現在もABSを勉強中の身であるので責任をもって未来ある若者の将来を預かれないとの理由でお断りしたのですが、

将来的にルアーメーカーをやりたい。

ルアーデザイナーになりたい。

という道内の若者の皆さん。

 

先ずは名だたるメーカーに就職して、

そこでノウハウを全て学ぶことから始めてください。

 

その経験の中で、

〇就職したメーカーの中でデザイナーを目指す

〇将来的には独立して自分のメーカーを立ち上げる

というように、選択するのが間違いなく最短距離です。

 

 

趣味のハンドメイドルアーから業界経験ゼロでいきなりメーカーを始めた僕が言うので本当です。

 

 

D3 福士知之

 

 

 

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