蝦夷梅雨が去り、ようやく夏らしい暑さとなった8月上旬。
V字渓谷の底を流れる山岳渓流へ足を踏み入れました。

過去の経験から、この渓で狙いを定めていたのは良型のオショロコマと虹鱒。
ですが、進めど進めど、出てくるのは蝦夷岩魚と雨鱒ばかり。

圧倒されるような奇岩奇石をいくつも乗り越えると、
オショロコマと虹鱒が混ざり始め、例年との分布の違いを実感します。
今年は蝦夷梅雨が長く続いた事も要因なのかなと考えながら遡行すると、
当初の目的だった支流との出合いに到着しました。
本来であれば、迷わずこの支流を数km詰める予定でしたが、
オショロコマと虹鱒が顔を出し始めたことで、合流部付近を少し味見することに。

少し進むと、3筋に分かれた瀬が切り立った崖に90度でぶつかり、
一際暗がりとなった大淵のポイントへ。
福蝉に結び替えキャストすると、3筋それぞれの間は複雑な反転流が生まれていて、渦を巻くように福蝉が吸い込まれてしまいます。
素早く回収し、主流と反転流の境い目を見極め2投目。
ロッドティップを軽く弾きながら福蝉をコントロールしていると、
白波に揉まれ福蝉を見失ってしまいました。
「また水中に潜ってしまったか」と思い、
水面に浮かせようとするとピーンと一直線にラインが走り、
直後、ロッドに重みが乗りました。
縦横無尽に走り回り、グリーンバックが大ジャンプを見せます。
「50upは堅いな!」
そう思った瞬間、
それよりもひと回り以上大きなレッドバンドが足元を通り下流へ逃げていきます。
「え、あんなサイズもいるんだ…。」
複雑な心境のまま下流に走る魚を目で追っていると、
今やりとりしている虹鱒も後を追うように、自分に向かって猛突進。
慌てて緩んだラインスラッグを巻き取りましたが、時すでに遅し。
福蝉だけが手元に戻ってきました。
自分の油断と慢心が招いた結果に悔しさが残ります。
気を取り直して、今度は最奥の瀬にジョイントダリア80sをキャストし、
自然に流れ落ちるようナチュラルドリフトさせると、明確な反応がありました。
この魚も力強く抵抗し、グングンと首を振っている感触が手元に伝わります。
エクルージョンの弾力が鋭いダッシュをいなしてくれ無事ランディング!
ネットに収まったのはコンディション抜群の良型雨鱒でした。

風格のある顔つきがとてもカッコよく、
ダムにより隔絶され陸封となった雨鱒が、厳しい環境の中、
このサイズにまで成長した事に逞しさを感じました。
元気に流れへ戻った雨鱒を見送り、目的の支流へ進みます。
この支流では当初の目的の1つである良型オショロコマがダリア45sを強襲!

これまた体高のあるコンディションの良い魚体。
他のオショロコマよりも朱点が細かく特徴的な体色にしばし見惚れてしまいます。
写真を撮り終え腕時計に目をやると退渓予定が迫っていました。
深山の夕暮れは早く、様々なリスクも高まるため、
先へ進みたい気持ちをぐっと堪え引き返すことに。
今釣行ではビッグワンと言えるようなトラウトを釣ることは叶いませんでしたが、
奥深い自然の中に広がる自分の知らない世界を垣間見たのかな。
と想いにふけ渓を後にしました。
〜タックルデータ〜
【ロッド】 Blakiston511eエクルージョン
【リール】 Daiwa CERTATE FC LT2000S-H
【ライン】 VARIVAS Double Cross PE 0.6号
【リーダー】 VARIVAS EXTREMESHOCKLEADER 6lb
【ルアー】 ジョイントダリア80s(アブラドジョウ)
ダリア45s(ステルスオレンジ)
【ネット】 Branchline ランディングネット
D3フィールドスタッフ
仙北谷祐輔